風邪薬と保険適用

当然ですが、病気には軽いものと重いものとがあります。日本人の悪いところは、治す対象がどちらであっても、薬は必要だと考えることです。軽い病気を治すのに薬は必要ありません。典型的な病気は風邪です。病気は医療の力を借りざるを得ない一部のものを除き、その多くが自然治癒します。風邪も自然治癒します。子どもの頃に自然治癒力で治した経験のあるひとはそれをよく理解しており、医療や薬に頼らない心構えが身に付いています。しかし現代日本ではそうした人たちは少数派で、服薬して治すのが当たり前となっています。翻って欧米では、風邪薬に保険が適用されません。無駄な医療費が発生せず、素晴らしい制度と言えます。日本でも健康保険組合等が推しているのですが、製薬会社の反対が激しく、実現しそうにありません。子どもの医療費が無料であることから、製薬会社や医療従事者にとっては風邪薬と小児科診療こそドル箱なのです。

現状を変えるには、先ず今の若い親たちが、風邪は寝て治すものだと認識しなければなりません。そうすれば浮いた医療費が、難病や大病の治療と研究に充てられ、医療の発展に繋がります。しかし残念ながら今の若い親の中には、ロキソニンをカジュアル飲みの候補にする人までいます。ロキソニンは「スイッチOTC薬」の一種で、嘗ては市販されていなかったくらい強い成分を含んでいます。消炎鎮痛剤ですから、頭痛や生理痛、歯痛、神経痛、腰痛等に効きますし、解熱作用を有します。しかし副作用も強く、以前は劇薬に分類されていたのです。そのロキソニンを「カジュアル飲み」するのは大変危険です。親の言動は子どもに受け継がれます。親がロキソニンを「カジュアル飲み」するようでは、子どもも将来、薬を危険視しなくなるでしょう。